山下レディースクリニック
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2008年6月14日
待望の子供を胎児死亡という形で失い、ただただ泣き崩れていた時に出会った山下先生には本当に感謝一杯です。いつも親身なアドバイスありがとうございます。今日先生に、またご相談したいことがあってメール致しました。
術後4日目に診察時、不育症の検査をしてもらいました。
術後11日目の診察で、結果を聞きました。
甲状腺問題なし。抗リン脂質も特に異常なし。ただ・・。
抗核抗体320、高値であることを聞かされました。
担当医は
「抗核抗体は基本女性では、高めに出ます。そして、抗核抗体が高いからといって、妊娠・出産ができないというのではなく、高値な方でも多くの方が妊娠・出産しています。なので、抗核抗体が高い=不妊・不育の因果関係は明確ではないので今回の胎児死亡も抗核抗体異常が原因だとは、言い切れません。ただ、私の体質として不妊・不育の因子があるってことです。長い将来SLEやリウマチにかかる恐れがあるが必ず発症するとも言えません。」
との回答でした。
山下先生!!今から私がしなくてはならない事は何なんでしょうか?今後、元気な赤ちゃんをこの手に抱くためにしておく事はありますか?抗核抗体の値をさげ、少しでもそういった因子を低くする事って出来ますか?また、抗核抗体320、という高値について、山下先生も同じ見解ですか??
『ななな』さんの検査結果については、主治医の先生のお考えと同じです。現在の不育治療現場では、抗核抗体だけが陽性だという場合には、とくに治療を行わないというのが標準的な考え方のようです。抗リン脂質抗体が陽性の場合は、アスピリンやヘパリンを併用して、血栓ができるのを予防する不育症治療が行われますが、こちらが陰性であったのならば、薬物治療の必要はありませんよ。妊婦さんにも、約5%は抗核抗体が陽性の方がいるという報告もあります。
そもそも人間の受精卵の半分近くは、染色体に異常があるといわれています。そのような受精卵は、大半が着床前に、残るほとんどは着床直後のごく初期に分割が止まってしまいますが、異常の部位や程度の関係で長くとどまる場合があります。流産のほとん どは、そのような赤ちゃん自身の染色体の異常だといわれています。このような流産は、偶然の悲劇ですので、繰り返す可能性は低いのです。どうか希望を持って、次の妊娠に向けてチャレンジされてください。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
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回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
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