山下レディースクリニック
カプロシン注射について
2009年8月17日
はじめまして、過去2回流産があって、いま妊娠13週目の妊婦です。
今回妊娠する前に、習慣性流産の検査(染色体検査以外)
をすべて受けたところ、特に異常がないのですが。唯一問題がありそうなのは、プロテインC活性が61%で、基準値の64−146%よりやや低いです。
それから、タイミング治療を受け、無事妊娠しました。うれしい反面、出産するまでのカプロシン注射とバッファりん治療の指示に対してどうしても不安だらけです。
山下先生、私は本当に抗リン脂質抗体症を抱えてますか?プロテインC活性が少しだけ基準より低いのは、検査の誤差とかでも可能でしょうか?そして、安定期までではなく、出産するまで、注射を続ける必要性があるのでしょうか?
お忙しい中、失礼致しますが、返事をいただければ、大変助かります!
プロテインCの不足によって血栓症となり、胎盤機能不全が起こることで、不育症になるとの報告もありますが、症例数はごくわずかです。
『ゆか』さんの場合、抗リン脂質抗体症候群というよりも、プロテインC欠乏症による血栓症が疑われるということで、低用量アスピリン療法やヘパリン 療法が施されているものと思われます。
アスピリン療法は、流産や早産予防目的では36週直前まで続けるケースが多いようですが、動脈管早期閉鎖による子宮内胎児死亡を誘因する可能性が否定できないため、28週までで中止すべきだという報告もあります。『ゆか』さんの場合、プロテインC以外は自己抗体の陽性はなかったとのことですので、28週で中止されてもよいかも知れませんね。ヘパリン療法に関しては、出産まで続けることも可能です。いずれにしても、担当医とよく相談されることをおすすめします。
<ご注意>
この相談事例集は、あくまでも参考にとどめ、実際に何らかの行動をとる場合には、
必ず医師の診察を受けて下さい。
なお、この相談事例集により万が一不都合、不利益を被った場合でも、
回答医または山下レディースクリニックのいずれもその責を負わないものとします。
他院で8ヶ月不妊治療をし、子供を授からず、やはり無理なのだと通院をあきらめましたが、知人より山下さんのことを聞き、もう1度治療を決意し1ヵ月後妊娠することが、できました。1度目のAIHで。「今までは何だったのか」とも思いましたが、いつ授かるものか予測できないものなのですね。山下先生、スタッフの皆様 丁寧にやさしく対応してくださり、ありがとうございました。
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